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民主文学えひめの会

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第41回全県例会、楽しい文学論議の時を得て

 第41回記念全県例会が6月18日、19日の二日間、宇和島市津島町において地元と全県の仲間14名が参加し行われました。

 第一日目は宇和島市遊子の段畑を見学、先人の底知れぬ力に感動しました。続いて半世紀近く前、津島原発建設計画を中止させた闘いについて尻貝地区、建設予定地であった大浜海岸で川口一夫さんの説明を受けました。大震災と原発大事故の二重の苦しみを味わっている今日、あらためてその闘いの意義について知ることかできました。

 会場を「やすらぎの里」に移し、川口さんから「てんやわんやの里」と題して講演をいただきました。この小説ができた時代背景、その舞台となった津島を知ることができました。続いて地元の会員の山泉元代さんから「トッポ話」を実際に聞かせていただきました。腹を抱えて笑う楽しく有意義なものでした。

 その後、宿泊先の「てんわやんわ」の作者である獅子文六のゆかりの「旅館大畑」での記念例会恒例の夕食交流会で第1日目を終了しました。
 
 二日目は参加者5名の会誌第14号の作品について合評会を行いました。

 桂幸造「分限免職(1)」・社保庁の解体、職員の首切りをテーマとした作品。現場の状況はよく書けているが主人公の人間像がいま一つはっきりしない。・重いテーマだがよく書けている。「奥さん」という表現は適切ではない。・解雇というテーマを全面的に分析するという意図がいい。ただ次号の後編は事件をめぐる分析等さらに深めないと作品として成功しない。・印象深い作品。社保庁の解体の本質がよく分かった。ただ処分の内容がよく分からない。(作者から)理不尽な公務労働者の大量首切り、社保庁解体の真実を書きたかった。

 澄田恭一「川田家断絶始末(後編)」 ・本人は謙遜するが藤沢周平ばりのプロ的な習作。大洲のことがよく分かる。名誉を回復してあげたと理解した。・松本清張なみの歴史小説、その県内版を切り開きつつある。・史実のままに書く方法もあるのではないか。(作者から)一度小説を書きたかった。史実を小説にした。資料で裏付けられなかった部分を創作した。今後も大洲藩を書き続けたい。
 
 宮本敦志「ノスタルジーの風景」 ・震災への思い、ニュース的観点、「てんやわんや」の再評価などエッセーとして成功している。・幅広い知識に敬服する。・一貫した主張が作者にはある。ただ一般読者には難しい。・「てんやわんや」のことがあまり書かれていない。主題が明確でない。・今の日本、「てんやわんや」を書くことが大いに大切であるということをこの作品から学んだ。俳句的には削っていいところがある。(作者から)みんなから指摘された「難しい」という点は反省している。
 
 岳重太「チラシの裏ノート(5)」 ・「黒い雨」の作品と原爆の悲惨さをうまくからめている。引用が多すぎる。・被爆のことを書いていることに成功している。作者は解説を嫌っているが解説もいい。・引用は知らない人、読んでいない人に関心をもたせる面もある。(作者から)「黒い雨」の作品は大震災と重なる。リアリティに読めた。引用を長くしたのは原爆の悲惨さを知らせたかった。
 
 田宮恵「備えあれば…」 ・日常を取り上げている点と素直な感動が心を打つ。文章をさらに磨けばよりいい作品になる。・これぞ、エッセー。一服の清涼感のある作品。・大変楽しく読めた。・特にマスクの話がよかった。(作者から)指摘されたことを肝に銘じて書くことをポリシーにしたい。(か)

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