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民主文学えひめの会

日本民主主義文学会愛媛支部のサイトです

川口一夫さん「譲ヶ葉森」(童話集)を近く発刊予定です

本会会員の川口一夫さんが「譲ヶ葉森」(童話集)を近く発刊されます。下記の小文を寄せましたのでご参考までに。

こんな少年たちに会いたい!            大澤 博明

川口一夫さんの「譲ケ葉森」には15話が収録されています。この連作にはアジア・太平洋戦争直後の愛媛県南部の田舎に生き生き育つ少年たちの健康そのものの姿が描かれています。あの食糧難の時期に自然の幸に恵まれ、毎日のように野山や川に時を過ごす少年たち。祖父母、親兄弟、近所の人々、先生、友との交わりの中で、生きる知恵と逞しさを楽しく賢く学んでいくその姿に感動します。

例えば獲物を捕る道具をつくり仕掛ける、一夜を待ちその成果やいかに!「大漁だ」のときの声。山芋掘りも栗拾いも常に友を誘い力合わせて。そしていつも「美味い」「旨い」との喜びの声。読んでいてつい唾液があふれます。「蜂の子捕り」でのドクダミのことや「薬―ハナモミ」でのいろんな薬草の話、「栄造祖父さん」の牛についての思いやり等々、自然な日々の営み―遊びや農作業の手伝い、暮らしの中で身に付く豊かな生活の知恵。汲めども尽きぬ泉のようです。

また、「お歯黒と老斑」は少し恐い話ですが面白く、「サーカスを見る」は5里(約20㎞)の道を3時間歩いて見物に行く強烈な好奇心と、横に居た小母さんとの投稿による手紙のやり取りが印象的。ふと著者が定年後も一途に社会進歩のため国内外を駆けめぐり、各紙に投稿もされる今日の姿と重なってきます。戦後70年余を経て、いま少年たちを取り巻く状況を思うにつけ、皆様にぜひこの作品集のご一読をとねがうものです。  2016年3月 (民主文学えひめの会会長)

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